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土砂災害の避難勧告発令基準 県内10市町村が未策定

土砂災害の避難勧告発令基準 県内10市町村が未策定
08月27日(水)
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県のサイト「河川砂防情報ステーション」で、岡谷市内の土壌雨量指数(パソコン画面右下の赤色などの部分)を調べる市危機管理室の職員=岡谷市役所
 土砂災害の発生に備え、住民に「避難勧告」を出す際の発令基準を策定していない長野県内自治体は、上田市、南佐久郡北相木村など10市町村に上ることが26日、分かった。木曽郡南木曽町や広島市で土石流が発生して多くの犠牲者が出ており、10市町村は国、県の要請を受けて発令基準の策定に着手している。避難勧告の遅れは人的被害に直結する可能性が高く、専門家は自治体の職員が迷わずに発令するための具体的な基準が必要と指摘している。

 内閣府は今年4月、昨年10月に起きた伊豆大島の土石流災害で避難勧告が発令されなかったことなどを踏まえ、発令基準の新たなガイドラインを示して市町村に策定や見直しを求めた。総務省消防庁のまとめだと、県内では昨年11月時点で15市町村に基準がなかった。

 県内ではその後、小諸市、駒ケ根市、南佐久郡南牧村、下伊那郡阿智村、下高井郡野沢温泉村の5市町村が基準を策定。現在、基準がないのは上田市、北相木村のほか、北佐久郡立科町、上伊那郡飯島町、同郡宮田村、下伊那郡下條村、同郡天龍村、木曽郡木曽町、同郡木祖村、東筑摩郡生坂村の8市町村で、それぞれ年度内の策定を目指すなどとしている。

 下條村は、現在は県と長野地方気象台が土砂災害警戒情報を出した場合に避難勧告の前段階で高齢者らに早めの避難を促す「避難準備情報」を出す、などの内部基準があるという。基準策定に向け、役場にある雨量計の数値で村内全域に避難勧告を発令できるかどうかなどを検討しているという。

 上田市危機管理防災課は「市の面積が552平方キロメートルと広く、地形などが異なる地域にそれぞれどんな時に避難を勧告するのかが難しい」と説明。現在は土砂災害警戒情報や、土砂災害の危険度を示す「土壌雨量指数」を掲載している県のサイト「河川砂防情報ステーション」などを参考に、その都度、発令するかどうかを判断することになっているという。

 一方、8月に基準を作った南牧村は同ステーションで2時間以内に土砂災害がいつ起きてもおかしくない状態になるという予想が出た場合は避難準備情報、1時間以内と予想された場合には避難勧告を出すと明文化した。

 室崎益輝・神戸大名誉教授(防災計画)は「大雨警報や土砂災害警戒情報を待っていては、避難勧告が間に合わないケースもある」とし、地域の特性を最も理解している市町村が、独自に雨量などを決めて発令基準を設定することが望ましいとする。「人間の判断をなるべく入れずに機械的に勧告できるようにしておくことが重要」と求めている。

 県内でも、2006年7月の豪雨による土砂災害で8人が死亡した岡谷市が、勧告の基準に雨の量を取り入れている。県が市内に設置した雨量計で1時間雨量30ミリ、連続雨量90ミリを超えた場合、その先の降雨予想なども勘案して避難勧告を出すことにしている。

 7月に1人が死亡する土石流災害が起きた南木曽町も、土石流が起きた梨子沢(なしざわ)に近い坂の下・東町両区を対象に、1時間雨量30ミリ、連続雨量80ミリで避難勧告を出すとの基準を災害後に設けた。
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by ja0hle | 2014-08-27 10:18 | 中京箕輪会 | Comments(0)
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by 箕輪会事務
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