権利と義務 長野日報のコラム
2016-02-07 06:18:09NEW !
テーマ:できごと
先の長野日報のコラムと、以前のものになりますが菅谷松本市長の発言を紹介します。
私の考え方は、あちこちで発言していますので、今回は書きませんが、ぜひ一読してみてください。
長野日報(八面観)コラム【2016年2月5日)
「立春の雪のふかさよ手鞠 唄」(石橋秀野)。暦の上では「ようやく春になった」の安堵感があるものの、現実には「深い雪」が残る冬のままだ。近年は降雪も立春過ぎからが本番のよう で、春モードへの気持ちの切り替えはまだまだ出来そうにないようだ
▼記憶に新しい2014年2月の2週連続週末の大雪。全国で死者が26人、重傷者は 118人。広範囲で交通機関への影響や建物の損壊、農業用ハウスや車庫の倒壊、着雪で電線が断線しての停電などの被害をもたらした
▼上伊那地方でも積雪量 40センチ、60センチを記録し生活に大きく影響した。高齢者など生活弱者の自宅周辺の除雪も課題になった。若者でも体に支障を来す雪かき。高齢者に多く は求められないが、雪かきなくして生活は成り立たない。隣近所の連携に期待がかかった
▼箕輪町で開かれた行政と住民の懇談会。一人の若い父親が「通学路に残った雪は役場職員が総出で取り除くべきだ」と力説した。思わず「親たちは何してるの」と突っ込みを入れたくなったのは言うまでもない。権利と義務を履き違えた典型的な例だ
▼人口減少社会でのまちづくりには、これまで以上に官と民の連携が求められ、住民の自覚とパワーが不可欠になる。除雪は数ある課題の中でも、住民直結の身近なテーマ。誰にやってもらおうか-ではなく、どうすれば出来るか-に皆が頭を切り替える必要に迫られている。
(このコラムは、箕輪町内を取材している記者の執筆によります)
私は、前職時代、松本におりまして、広報まつもと2013年5月号は今でも忘れない特集でした。「学都松本」についての、菅谷昭松本市長と斉藤金司教育委員長の対談です。
この対談は、菅谷市長の自治に対する考え方が出ている対談です。
その一部を紹介します。
(菅谷)
地域づくりに関して各地区の皆さんに「自分たちのまちづくをしてください」と投げかけると、「自分たちはできない」「高齢者だから役員をやっていられない」と言われるわけですが、そうではないんですよ。「あなた自身がここで生きているのだから、自分でどうしたらいいか考えてください」と言いたいですね。行政に対していろいろ要求する権利はある。だけど、あなた方にも、義務と責任があるんですよ、と。
(司会)
市民の皆さんに「自分たちも責任を取ってくれ」と言うのは、かなり勇気がいる発言ですよね。
(菅谷)
大変勇気のいることで、もうドキドキしているんです。初めて僕が市長になった時に、市政まちかどトークやティータイムトークで従来と違って、「要望、要求は聞きませんよ」とはっきり言いました。「建設的な意見や提案をいただきたい」と。最初はびっくりされたでしょうが、今は提案形式になってきています。だからあきらめてはいけないなと思っています。
(斉藤)
行政が行きつくところまでやらないということは、まさに行政としての一個の人格としての市民に対する「誠実さ」ですよね。これを全部やってしまったら、市民に対して失礼です。それをあえてしないで、いつも問いかけているということは確かに勇気のいることで、すごいなと思います。
(菅谷)
最初から僕は「行政主導からの脱却」と言ってきました。市民が主体的に動くまちづくりをしたいと。成熟型の町づくりというのは、ヨーロパのようにみんな市民が主体的にやっているまちですよね。そのように松本のまちはやっていく必要があるのではないかと思っているので、成熟型の地域づくり、まちづくりということを言わせてもらっています。もう成長はいいですから。」